2017年05月15日 | 建設物語
建設物語22『2017年 5月15日』~大浴場を飾る陶板壁画 作業風景~
道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)の男女の浴室には、愛媛県伊予郡砥部町で作られている国指定伝統工芸品の「砥部焼」を使った陶板壁画が飾られます。国の伝統工芸士(加飾部門)に認定されている砥部焼きよし窯の山田ひろみさんが制作します。
男子大浴場に設置される砥部焼による陶板壁画は、山部赤人の歌にある、いさにわの岡から眺める伊予の高嶺・霊峰石鎚山をモチーフとして描いています。この陶板壁画は、162枚の陶板を使って、幅5.4m×高さ2.7mで1つの絵を表現する全国的に類のない巨大なものです!
今回は、陶板壁画に描かれる石鎚山の下絵の色付け作業過程~素焼きのための釜入れまでをご紹介します!
まず、30センチメートル四方正方形の陶板を並べます。砥部焼では、「呉須」と呼ばれる藍色の顔料を基本的に使用しますが、今回はいくつかの色を何度も重ねることで、より複雑な自然の表情を描いていきます。使用する筆も通常のものとは違い、京都の染め物用の筆を使用します。こちらの方がぼかしを表現するのに最適で、岩や土・森といった自然が織りなす質感、陰影や立体感を美しく描くことができるそうです。
色付けが完了したら素焼きをするため、陶板を慎重に窯まで運びます。
約900度で15時間程度素焼きをし、その後、本焼きとなります。
美しい陶板壁画が完成するまでには、こんなにも手間暇かけて制作されていることに驚きです。砥部焼の技法を使い、雄大な自然を描いた巨大な陶板壁画は必見!美しく優しい景色に癒されてくださいね!