保存修理レポート

2020年04月 | 保存修理レポート

保存修理レポート55
又新殿の「銅板軒先」加工

銅板屋根の軒先部分に見られる「銅板加工」の施工状況です。又新殿の軒先には、非常に珍しい段々模様が刻まれています。これは、屋根を檜皮ひわだから銅板に葺き替えた際、檜皮が何層も重なって構成される特有の雰囲気を、銅板でも再現しようと施工されたと考えられています。

数多くの文化財保存修理工事の設計や技術指導を行う専門家が集まる「文化財建造物保存技術協会」から派遣された工事監理者も、「このような模様の軒先は見たことが無い」と語っており、皇室専用浴室「又新殿」ならでは魅力の1つです。(2020年4月)

 

工事着手前の軒先

 

保存修理後の軒先