道後温泉 トップページ > 温泉紹介 > 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 > 飛鳥乃湯泉で見られる愛媛の伝統工芸
自身が育った手漉き和紙の産地内子町五十崎にて、新しい手法の和紙「ゼオライト和紙」の制作をスタート。現在は西予市に工房を構え、制作に取り組んでいます。空間の連なりをそのままに、内と外の境界をあいまいにするパーティションなど、独特の表現が国内外から高い評価を受けており、本施設ではエントランスでお客様を迎える「山門」をテーマとしたシェードを手掛けています。
日本の木造建築に使われてきた鉄釘であり、古代建築物の修復や復元に欠かせない材である「和釘」。全国的な職人の減少により和釘職人は貴重な存在となっており、高い技術を持つ興光氏の父・白鷹幸伯氏は薬師寺、室生寺、平城宮大極殿など著名な国宝・重要文化財の修復・復元を手がけてきました。本施設では息子の興光氏がエントランスを飾る巨大な木版壁画を和釘で彩っています。
日本三大絣の一つ「伊予かすり」。経糸・緯糸をあらかじめ染色し文様を織り出すことにより、かすれたように見える独特の風合いを生み出します。明治時代に日本一の生産量を誇っていましたが、現在は伊予かすり会館(白方興業)での生産のみとなっています。本施設では男女の浴室の入り口でお客様をお迎えする「暖簾」の制作を手掛けています。
砥部町を中心に作られている磁器「砥部焼」。砥部町には100軒以上の窯元が伝統を守りつつ、近年では女性作家、若手作家が増え新たな風を吹かせています。山田ひろみ氏は砥部町唯一の国指定伝統工芸士であり、大小さまざまな作品を展開するなど幅広い活躍を見せています。本施設では男女の浴室の5.4m×2.7mもの巨大な陶板壁画などの制作を手掛けています。
全国2位のヒノキ生産量を誇る愛媛県。そのヒノキをもっと暮らしに取り入れてもらうため、従来の無垢材の問題点であった“割れ”の問題を解決し制作された「デコラパネル」。まるで自然の中にいるように媛ひのきのもつ色合い、風合い、香りを楽 しめます。本施設では露天風呂という湿度が高く割れなどが発生しやすい厳しい環境の中で、デコラパネルによる露天風呂の壁面装飾を手掛けています。
鎌倉時代に製造が始まったと伝えられる「菊間瓦」。いぶし銀に輝くことからいぶし瓦とも呼ばれ、その美しさと防水・耐寒性から松山城や道後温泉本館、京都御所、皇居においても使用されています。近年は瓦屋根家屋の減少により生産量は減少しているものの、アクセサリーや日用品など新商品の開発にも積極的に取り組んでいます。本施設では浴室露天風呂に据える行燈の制作を手掛けています。
「簀」とは和紙をすくための道具。手すき和紙の盛んな地域でつくられ、愛媛で制作されたものを「伊予簀」と呼びます。「簀」はすだれより細い竹ひごと簀専用の糸を使って編み上げられ、繊細な手仕事のため、1つの簀を編むのにも長い時間を要します。本施設ではその技を活かし、特別浴室の浴室と和室を柔らかくさえぎる「伊予簀の御簾」の制作を手掛けています。
国指定の伝統的工芸品である「大洲和紙」。平安時代に書かれた『延喜式』にその記録が見られるほどの歴史を有しています。その大洲和紙とギルディング(金属箔)加工技術の融合により生まれたのが「ギルディング和紙」です。和紙のもつ優しく柔らかな表情とギルディング箔が放つ存在感が独特の表現を生み出します。本施設では「寿国」をテーマとした大広間休憩室の天吊りシェードとランプシェードの制作を手掛けています。
道後温泉を訪れた聖徳太子が編み方を伝授したと伝説が残る伊予竹細工。型を使わず編んだ籠に、竹ひごを不規則に抜いて仕上げる「やちゃら編み」が特徴です。熟練した技を持つ職人によって編み出される作品は、手作りの優しい風合いに満ちた品と高い評価を得ています。本施設では大広間休憩室において寿国を演出する明かりとして行燈の制作を手掛けています。
長野県飯田市と並ぶ水引の二大産地である四国中央市。「伊予の水引」は平安時代の元結が起源とされています。すごいた(しなやかにした)水引を「結ぶ」「編む」「巻く」ことで様々な形の細工をつくり、これらを組み合わせることにより工芸品が作られていきます。本施設では道後温泉に伝わる白鷺伝説をテーマに、伊予水引細工の技を用いた作品を制作しています。
和紙でできた筒にもち米を糊にした防染糊を入れ、それを絞り出しながら手描きで模様を描く「筒描染」。糊で白地を残すのが特徴で、型紙では出ない線や輪郭が表現されます。地細工紺屋若松旗店は江戸末期から190余年の歴史を持ち、現在、祭礼装束、神社の紋幕や幟、辻幟などの多岐に渡る作品を制作しています。本施設では大国主命・少彦名命が登場する玉の石伝説をテーマとしたオリジナル作品で個室の壁面装飾を手掛けています。
高縄山系の良質な水を背景に染色技術を発達させてきた「今治タオル」。現在では国内最大規模のタオル産地を形成しています。その中で90年以上の歴史を持ち、その技術力でタオル業界をリードしてきた株式会社藤高。本施設では聖徳太子の来浴伝説をテーマに、先染めジャカード織タオルで世界初のフルカラー表現を実現した『五彩織り』の技術を用いて、今治タオルの新たな表現にチャレンジしています。
江戸時代後期に廻船問屋によってもたらされた桜井漆器。輪島や紀州黒江など漆器の先進地から技術者を集め、全国の産地の良さを取り入れたとされています。良質な漆器を比較的、手頃な価格で手に入れることができるため、現在も多くの人から親しまれています。本施設では飛鳥~平安時代にかけて多くの天皇が道後温泉を行幸されたことをテーマに、これまでにないサイズの作品づくりと新たな空間表現に挑んでいます。
毎年10月中旬に西条で行われる「西条祭り」とともに発展してきた「西条だんじり彫刻」。江戸時代が始まりと考えられており、石水氏はだんじりを手がけてきた棟梁の5代目。100種類もの彫刻刀を使い表現された花鳥、神話、龍などは、まるで生命を宿しているかのようです。本施設ではだんじり彫刻の技を用いて、源氏物語で道後温泉を「伊予の湯桁」として描写されていた当時の賑わいを表現しています。